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選抜高校野球も終わり、夏に向けての地区大会が各地で始まろうとしております。早いですなぁ。ここでの成績次第でシードがもらえるのですから、気が抜けません。今回の大会は1人で全部投げ切ることへの疑問、あとは守備妨害がとても印象に残りました。前者については、毎年言われてることですが、先発完投型に対する称賛は昔から根強くあります。これはプロ野球にも言えることですが、なぜそこまでもてはやされるのか。アメリカは球数制限タイプなので、完全試合目前でヒットを打たれたダルビッシュですら、打たれた直後にマウンドから下りています。象徴されるのが松坂で、日本では150球をこえても完投、大量失点しても完投していたのに、アメリカではまだ1度も完投していなかったかと思います。こうなると、科学的なものというよりは美徳なんでしょうな。
今回の選抜で一番印象に残ってるのが、県岐阜商の藤田が打球を足に当て、苦痛に耐えながら最後まで投げ続けたことです。県岐阜商の監督は藤田の父親なので、監督の方から下げることも、選手の方から申し出ることも、周りの目もあってそうできません。監督や選手の意思に任せるとあまりいいことはありません。球数制限であったり、負傷が著しい場合は強制的に後退させる権限があれば、意思とは関係なくなり、とやかく言われません。その場合はベンチ入りの人数を増やせばいいだけの話です。美徳によって選手生命を絶たれるのは残念というより、ガラパゴスな日本ならではの現象だよなと思ってしまいます。
同じ試合、最終回の攻撃で大阪桐蔭の選手が本塁突入の際に捕手にタックルを行い、守備妨害としてアウトになったことも話題になりました。これは去年同じ大阪桐蔭の森がアメリカ選手にタックルされ負傷したことを受け、そういう危険行為に及んだ場合には守備妨害を適用することが決められました。今回の選抜大会では監督会議においてそれが徹底されたそうで、あのような判断になったということです。今回の場合は捕手の手元にはボールがあり、タッチできる状態で、それを阻止すべくタックルした行為が危険だと判断されたと。別のケースではゲッツー崩しをしようと送球をしにくいように2塁へスライディングしたらやはり守備妨害をとられてしまったことです。
危険防止のための守備妨害の徹底。個人的には何も悪いことはないと思ってます。しかし、これを運用していくのはボランティアの審判、いわば素人です。いくら経験があるとはいえ、これが守備妨害か否かはその人の主観にかかわってきます。守備妨害を適用する際には審判団が協議の上、決めればいいと思います。しかし、少なくとも先の2件ではそれがありませんでしたし、場内への説明も行われませんでした。高校野球は立派な興業です。お金を払って見に来ているお客さんへの説明がなされないというのはおかしな話です。まだテレビカメラのあるところだからよかったものの、これから地方大会が始まる中で、必ずこの場面が出てくる。その際に満足いく判定ができるのか。正直、誤審と言われても仕方のないケースは出てくるように思います。それを防ぐには審判団で協議をすることです。守備妨害の適用限定でもいいからすべきです。
私は高校野球が正直好きではありません。あと、高野連の体質が大嫌いです。ゆえに厳しいことを書いたり、刺激的なことを書く傾向にあります。それでも選手への負担をなくしていく施策は目に見えてるのでね。もう延長18回まで投げることもありませんし、準々決勝を一発でやることもありません。ただ、日程のアヤで3連投になる投手もいる。そのあたりがまだまだ改善する余地があります。2連投した際には1日間隔を空けるでも効果はあるでしょう。あとは、審判のレベルというか、地方レベルにおける審判への指導アナウンスをどう徹底させるか。悔いのない試合にするためにやるべきことはまだたくさんあります。選手や監督の美徳まかせにしてしまうのはあまりいいとは思えませんな。